愛とチムニーの日々

背景、深海マザー開店

なにも持たない私が、創作を始めてから2年経つ。
まだ2年しか経ってないのか。
もう2年も経つのか。

見方を変えればこの2年がいろんな色に感じられる。

2013年4月20日22時ちょうど。
この手で創ったモノを販売できるお店を作ることができた。
言わば、私にとっての活動の一区切りである。

深海インテリア・グッズ販売店 – 深海マザー

この手で創ったというのは、正確にはもちろん他の手も関わっている。それには直接的な人の手、間接的な人の手、もう一つ ”そうでない手” がある。この ”そうでない手” を、どう呼ぶか。どうでもいいんだが、ここでは敢えてセイゴちゃんと呼ぶことにする。この活動をする事で、セイゴちゃんの存在をだんだん色濃く認識することができるようになってきた。未だ輪郭ははっきりしないのだが。

今回はこのセイゴちゃんについて書いてみることにした。そして、どんな時にセイゴちゃんの存在を感じるのか。2013年の例を挙げながらいくつか振り返ってみる。

まだ記憶に新しいが、NHKスペシャルでダイオウイカが放映されてフィーバーした翌日、東京にも大雪が降り、その雪で創った雪ダイオウイカ。実はこの時、セイゴちゃんに引きずり出されるように外に行き、玄関で ”創らされた” のである。私は寒いのが苦手で、出来れば引きこもっていたいタイプなのである。それがニュースにも出演し、最後にはカラパイアでも取り上げられた。そして、未だに共有され続けているのだ。

ありえません。

その後ぐらいから、お店を開きたいという欲求に駆られ始め、商品としてダイオウグソクムシのマグカップを創りたいと思い、出来たモノがこちら。

ダイオウグソクムシを巻きつけたような感じ
ダイオウグソクムシを巻きつけたような感じ

しかし、このカップ、全くもって気に入らない。嗚呼、気に入らない。叩き割りたいぐらい気に入らない、と思ってたらセイゴちゃんが叩き割ってしまった。そして全く違う新しいマグカップが出来上がった。それがこの「ダイオウグソップ」である。

ダイオウグソクムシの背中が掴める
ダイオウグソクムシの背中が掴める

何がセイゴちゃんかと言うと、これが出来たとたん、鳥羽水族館が企画したニコニコ生放送のダイオウグソクムシ48時間生放送が放送され、ダイオウグソクムシフィーバーとなり、この「ダイオウグソップ」を多くの人に見てもらえたのである。

ありえません。

次はスケーリーフットの話題。JAMSTECが「QUELLE2013」と称し、しんかい6500で世界を暴走するという世界一周プロジェクトが進行する中、生きた黒スケこと、黒スケーリーフットを日本へ持ち帰るという試みに成功し、JAMSTEC横須賀本部にて急遽「生きてるかもしれないスケーリーフット見学会」というイベントが開催された。2日間計60名の募集だったが、急遽にも関わらずあっという間の満員御礼だった。私も参加することができた一人である。参加者から「社会のクズ臭」が感じられた、と高井研氏は言っていたが、まったくその通りである。

ここでは何がセイゴちゃんか。この時すでにこちらの黒スケマグネット、エクストリーム・ブラキッシュ・スケーリーフットと白スケマグネット、エクストリーム・ホワイティッシュ・スケーリーフットが完成していた。そして横須賀本部にこの2つを持って潜入し、スケーリーフットを一番愛していそうだなと思った研究者に差し上げて帰ってくることができた。つまり、その時を狙って創ったのではないのだ。

黒スケのマグネット
黒スケのマグネット
白スケのマグネット
白スケのマグネット

ここでもセイゴちゃん。後で調べて分かったのだが、差し上げた研究者のお方、スケーリーフットの必殺飼育人こと、和辻智郎さんであった。

ありえません。

開店準備が整うに連れて、セイゴちゃんはこの辺で急に悪戯を始める。しかも意地が悪いなんてものではない。散々助けてくれてたと思いきや、ありとあらゆる方向から、ありとあらゆる人間を使って、ありとあらゆるあくどい手段を使って、私が行おうとしてる事を邪魔し出すのだ。

ありえません。

いや、まぁ、何にでも必ず裏側というのがあるもので、最近ではこのような「助け」と「邪魔」はセットだという認識があり、「あぁ、また来たんだね」ぐらいにしか思っていないのだが、この邪魔に対抗するために使うエネルギーを調達するには、命を燃やす程の覚悟と取り組みが必要である。

で、結局どんな結果になったかというと、開店直後はたくさんの人達に覗いてもらえたようだ。カート内では商品をめぐって押し合いへし合いがあったようで、目当てのモノが買えなかった方も多かったらしい。一点物が多かったので、大変申し訳なかったと思いつつも、私からすると涙が出るほどの大成功の結果に終わっ・・・いや、まだ店は営業中なのだが・・・。

その後、やりきった感で溢れながら食事を摂った。涙が出た。美味しさとか満腹さなどで出た涙ではなく、なにかがなにかで満たされて出た涙なのだろう。そして風呂に入る、家族(人以外も含む)と戯れる、寝る。すべてが猛烈に素晴らしく美しく幸せに感じる。これこそが ”生きる” ということなのだろう。えぇ、間違いない。

ここで大事なのは感謝する事である。闇雲にありがとう、感謝します、と言ったような形式的なことでは感謝とは言えない。もっと内側から自然に溢れ出てきたモノが感謝のはずである。踊りだろうが、お金だろうが、トイレに篭ろうが、例えどんな表現になろうが、溢れたモノが感謝である。また、それらを自然に湧かせるには、なんらかのそれなりの取り組みや営みが必要なのだろう。

私の場合、直接思い当たる対象としては、買ってくれた方々、家族、友人、それと忘れ勝ちなモデルとなってくれた深海生物たちや、それらを見せてくれた方々等なのだが、実際その溢れ出したモノを表現する瞬間は、もっと衝動的であり、全くもってなんなのか分からない対象に行っているものである。

感謝を失った時、セイゴちゃんを感じることはなくなるだろう。

以上のような事柄は、その時の解釈によってはいろんな風に取れると思うが、これを偶然とするか、病気とするか、セイゴちゃんとするかで計り知れない大きな違いになると思っている。

みなさんのところにもセイゴちゃんはいますか?

愛とチムニーの日々

深海にある熱水噴出域はね、極限環境って呼ぶんだって。
そうゆうの以外にも、違った意味での極限環境が思ったよりもずっと身近にあるんだよ。
例えばみんなが住んでいる家の中とかね。

 

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