深海マザーショップで、新シリーズ「深海生物をつかまえてきましたシリーズ」を発売しました。まずは、マグネットシリーズとして3種類のメンダコを制作し販売しています。
お土産は、深海グッズ。
深海グッズがいろいろなところにおみやげという形で置かれていたらおもしろいと思いシリーズを立ち上げました。
よくあるお土産の名前みたいですよね。
水族館や博物館といった観光スポットへ遊びに行った際に、生きた深海生物や深海に関する展示に触れた後、もしミュージアムショップにこんな深海グッズがあったとしたら、たったいま観たばかりの深海生物をつかまえ持ち帰るような感覚を覚えそうです。
でも、全然関係のないカフェや病院などで販売されていてもおもしろいと思います。
ところで実は、このシリーズには発展形があります。
まずはネット販売から始めましたが、追々はこちらのほうも展開していければと考えています。
現状のパッケージには何も記載がありませんが、実際に販売されている施設名などを商品名の上に追加してみます。
例えばこの世界の片隅に「チムニー水族館」というアミューズメント施設があったとして、そこのショップのお土産として販売される場合のパッケージはこのようになります。
左は現状のもの、右が名前のはいったものですが、突如としてご当地感あふれるお土産に変化することがわかります。
このシリーズが置かれているお店でしたら、水族館でなくとも雑貨屋さんの屋号、カフェの屋号、医療機関の名前、どこの名前でもおもしろいだろうなあなどと想像してニヤついていましたら、気づくと周りには誰もいなくなっていました。
こんなふうにいつか全国の売り場という売り場で販売され、発見したお客さんが「あ、これじゃん」などとつぶやいてくれる日がくることを願っています。
ちなみに現状の施設名が書かれてないパッケージは、必然的に深海マザーでつかまえたものということになります。
「深海マザーで深海生物をつかまえてきました」というふうにしてもよいのですが、これは当たり前すぎて意外性がなさそうですものね。
いきものらしい創作物とハンドメイドの関係性
このシリーズで一貫してこだわっていこうと思うことがあります。
それはやはりハンドメイドということです。
ハンドメイドといっても様々なのですが、モチーフとなるものが深海生物、つまりいきものである以上、やはり生物らしい表現をしなければならないと日ごろから意識しています。
深海マザーの商品は、基本的にハンドメイドなのですが、実は多くの道具や機械を使っています。例えば、塗装を施すためのコンプレッサーを使用したエアブラシや、穴を開けるためのボール盤、研磨するためのリューターなどがそうです。
こういった機械類を使用することで、綺麗な成形品を作る大きな助けとなりますが、時に綺麗に出来すぎて製品のような品質になり、ハンドメイド感を失ってしまうことも多々あります。
ちなみにカップメンダコという商品はハンドメイドなのですが、ハンドメイド商品として見られることはほとんどありません。理由はおそらく綺麗すぎて製品のように見えるからだと思っています(でもかわいいから許す)。
どこまでハンドメイド感を出すか、創作物の”いきものらしさ”をどこまで表現するか、またハンドメイド≠いきものらしさということを認識しながら、なんとか生命感を吹き込めないだろうかと考え、今回は以下のようなことを意識しながら制作してみました。
- モチーフはいきものだから、いきもの(人間)が作る → いきものらしさ
- 原型はかっちり造形し過ぎずそのほんの少し手前で終わらせてみる → 不完全さ(いきものらしさ)
- 左右非対称にしてみる → アンバランスさ(いきものらしさ)
- 塗装はエアブラシに頼り過ぎず筆ムラをテクスチャとして利用 → 個体差(いきものらしさ)
- 店頭での商品陳列時はそれらが他の商品とのコントラストになる → 多様性(いきものらしさ)
- それをお客さんが買う → 狩猟本能(いきものらしさ)
- それを知った私が喜ぶ → 小躍り(いきものらしさ)
商品をよくよく見てもこれらが見えるわけではなく、お客さんにとってもどうでもいい部分だとは思いますが、パッと見の一瞬でなにかが伝わってくれればいいなと思っています。
お子さんや大人の童心をくすぐるような、優しさや柔らかさのようなものを表現するためにハンドメイドにこだわり、今後もシリーズとしてモチーフとなる深海生物の種類をたくさん増やしていこうと思っています。
こちらの深海生物をつかまえてきましたシリーズは、深海マザーショップで販売中です。