これまで、降る雪を見ると衝動的に深海生物を雪だるま化してきました。写真を撮りつつも、あまり管理をしてなかったのでバラバラになっていましたが、このたびは、やっとそれらをピックアップしてまとめることができましたので記事にしました。
グンバツは、抜群だ。
さも、深海へ行ったことがあるように言いますが、雪景色と深海は似ています。
プランクトンの死骸などが深海へ降り注ぐマリンスノーを見てもわかるように、海の中でも雪が降っています。壮観、冷酷、静寂などといった共通するイメージも多いので、同じように感じている人もたくさんいると思います。
また、創作的に見てみても、材料費タダ、保管料タダ、廃棄料タダ(怪我したら治療費)で、ほとんどのことを気にせずに、好きなものを、好きな大きさで、好きなだけ作ることができ、さらに自然と戯れられる、立体造形では数少ない原始的な手法ですので、雪で深海生物だるまを作るということは、抜群かつグンバツな行為なのです。
ただ、雪は気まぐれなので時は選べないという難点はありますが、受け身の東京、攻めの北海道、気づけば8作品ができていました。
新しい順にご覧ください。
バリアに阻まれるマリアナスネイルフィッシュ
2018年1月、東京大雪警報発令につき、ムラッときました。
深海魚の多くは、水圧の関係で深すぎるところには棲めません。しかし、マリアナスネイルフィッシュという深海魚は8178メートルという、「世界で最も深いところに住む深海魚」としての記録保持者です。その世界1位さんが、私の家へやってきて侵略しようとしたら、見えないバリアに引っ掛かって入れなかった、という作品です。
※超深海、深海魚はれっきとした学術用語ですが、超深海魚は厨二的用語です
雪壁から発掘されたユノハナガニ
2015年2月、北海道ニセコ町の某温泉宿の庭で大量に除雪された雪を見て、ムラッときました。
初めは、自然が創り出した造形美に完膚なきまでに叩きのめされましたが、低温冷気で深呼吸を繰り返したらむせて開眼し、雪壁の中にユノハナガニが見えたので発掘しました。ユノハナガニは、熱水噴出孔の周辺では珍しい肉食生物として有名ですね。
自宅に向かってSTAP細胞を投げつける
2014年2月、東京大雪警報発令につき、ムラッときました。
当時、大きな話題になっていたことと、ある人から無茶振りされたことがきっかけで創りましたが、後に、あんなことになってしまうなんて知っていたら、自分の家に向かって雪玉なんて投げつけませんでした。ましてや、たまたま通りかかった私立幼稚園帰りのご子息になんか投げさせませんでした。
民家に侵入しようとして引っ掛かったダイオウグソクムシ
2014年2月、東京大雪警報発令につき、ムラッときました。
上記ハウスの後にすぐ作ったので、だいぶポルカドットですが、これにはあまり意味はありません。巨大なダイオウグソクムシが家の階段を上がってきたらこわいなと思って作ってみたら、途中で引っ掛かってしまって家には入れないみたいです。そのせいで、創った私も入れなくなりました。
引き離されたオオグソクムシ親子
2013年2月、北海道洞爺湖畔温泉宿の庭でブルドーザーが除雪した大量の雪を見て、ムラッときました。
旅行前、竹島水族館でオオグソクムシの赤ちゃんが生まれ、ベイビーはすぐに隔離水槽へ移されたと聞きました。積み上げられた雪山の切れ目を見て、引き離された親子の姿が見えたので創りました。親オオグソクムシがひょうきんな顔をしていますね。
突如として住宅街に現れたダイオウイカ
2013年1月、大東京大雪警報発令につき、ムラッときました。
全世界が衝撃を受けた、ダイオウイカの生きた姿の撮影に成功したNHKスペシャル放映の翌日に、ちょうど大雪が降りました。テレビを観てインスピレーションが湧きました、と言いたいところですが、実は観ていなくて、みんながワーワー騒いでいるのを見て創りました。この作品は、SNSで話題になり、テレビやWebメディア、海外メディアなどでもたくさん取り上げていただきました。
便器のようなオオグチボヤ
2012年1月、北海道占冠村リゾートホテル周辺の低温で、ムラッときました。
マイナス28℃、ロビーから1人、スコップを担いで表に出ていました。雪がサラサラすぎて固まりにくく、ダイアモンドダストを浴びながら2時間も没頭してしまい、創り終えてから手袋にスコップの柄が貼り付いていることに気づいた時は恐怖に襲われました。シャレになりません。
ダイオウグソクムシに騎乗
2012年1月、期待してるのにうっすらしか積もらない雪を見て、イラッときました。
スノーボードの上に雪を盛りました。スポーティであり、パフォーミングでもあり、クリエイティヴですらある、私の雪だるまの原点です。動画をご覧ください。気に入った方は、リンク先の「解体ショー」動画もぜひご覧ください。
今後の深海雪だるま予報
以上、8作品の紹介でした。
最近は東京でも、雪が降るといってもチラつくどころではなくなってきました。
今後も降雪量は増えていくのでしょうが、被害も少なく機会もあれば、街のどこかに雪だるまを置いていこうと思います。