スケーリーフットばかりの秋の新商品ラインナップのご案内をしたいと思いますが、その前に先日発表された新属ギガントペルタ(Gigantopelta)はウロコが一気に抜け落ちるほどの衝撃的なものでした。
ギガントペルタについてはこちらにまとめられています
「G. chessoia」はスケーリーフットの殻そっくりで、仲間と言われればすぐに納得出来たのですが、「G. aegis」の方は「殻っぽいけどいくらなんでもモールド潰れすぎ」という第一印象でした。しかしすぐにこいつの真の恐ろしさがわかりました。分厚い酸化鉄を被っているのです。被っているというのも、カブリモノが砕かれた写真がすぐに投稿され、中に普通のスケーリーフットの殻のようなものが顔を覗かせていたのです。これ自体衝撃的でしたが、最も衝撃的だったのは、これまでの金属を纏う生物はスケーリーフット一種だという認識が崩壊し、二種いることは三種いる、三種いることは四種いる、鉄がいるなら銅もいる、銅もいるなら金もいる、という夢の扉(錆びててギィィィ・・・と鳴く)が開かれたことです。とはいえ、スケーリーフットはウロコを持っていますので、やはり変わっています。さらに今のところ唯一鉄を纏っていないと言われている白いスケーリーフットに対して「なんだチミは」とさらに興味が湧き始めるのです。
そんな愛くるしいスケーリーフットをベースにした新商品のご案内です。
当店がスケーリーフットならば、陶芸家の有麒堂さんはメンダコばかり焼いています。たまにはスケーリーフットを・・・とお願いして焼いていただきましたところ、コラボ作品として誕生しましたので、すべて一点物として販売させていただきました。「三十二点」とありますが、10月2日現在「二十二点」に減っており、暗色系の個体が絶滅の一途を辿っています。中には本当に鉄分が含まれている個体もいます。
小さな磁石、文房具です。殻やウロコの「鉄の装甲」と、肉や触角の「やわらかいにゃん体」の質感のギャップを持たせるために敢えて触角部に異質な紙を使用してみました。場合によっては写真のケースのように邪魔以外の何者でもなくなりますが、気にしません。
小さなノート、文房具です。スケーリーフット研究者の Chong Chen さんから写真使用の許可を頂いて制作しました。スケーリーフットもこんなふうに自由に進化したのなら、人も自由に進化してもいいというコピーを後付した自由帳です。60ページに及ぶ白い紙々が綴じられています。
小さなしおり、文房具です。文庫本に潜ることを生き貝とするシロウリガイの物語です。ポストカードサイズの四角い紙から切り離されて蝶になった二枚貝は、読みかけの本を探す旅に出ます。公園のベンチで読むのを止めたいのに止めれらなくなっている人間を見つけましたが、目の前でヒラヒラとアピールするも、読書に夢中で無視されます。そこで読まれている本の上にふわりと堕ちてみました。すると人間は催眠術にかかったかのようにパタンと本を閉じて眠ってしまいました。それからはそのまま二枚貝のしおりとして愛用されるようになりましたとさ。
めでたしめでたし。