湿度漂う夏の匂い。
この空気の中でこの世に出たのか、などと考えてみたりする日常。
ふと気が付くと薄暗い和室の片隅になにかがある。
近くで見てみると、岩のような、鉱物のような、何かのようだ。
畳から噴き出したチムニー |
もしや、これはチムニーではないか・・・?
いや、チムニーに違いない。
ついにチムニーがウチにも生えたか!
チムニィ!ニィチム!
チムニーとは熱水噴出孔とも言うが、深海底から、、、以下略。
ウィキペディア – 熱水噴出孔
冷静になってよく見ると、黒い煙がモクモクと立ち昇っているように見える。
こいつは噂に聞くブラックスモーカーだ。
もしかしてゆっくりと成長しているのか、生きているのか。
しかし、畳から噴き出すというのは一体どういった事なのか。
偶然なのか、必然なのか、何でもないのか、まぁ、何でもイイ。
どう解釈したら良いのかわからない。
チムニー周辺の化学合成生態系―――
ハオリムシやゴエモンコシオリエビ、化学合成細菌、硫化水素などが有名だと思うが、自分もその一要素として認めてもらえるだろうか。
そしてこのチムニーは、何か私に語りかけてくるのだろうか。
そんな私はチムニーに対して何が出来るだろうか。
愛とチムニーの日々が、静かに始まった。